Chika さん ~ クラウドサポートエンジニア

文系区分の情報系大学の学部を卒業してから新卒で日系の出版事業会社に入社し、数年間システムエンジニアとして従事していました。具体的には、AWS 入社以前は社内向け Web アプリケーションの開発(内製)や AWS を利用したインターネット事業のインフラ構築およびベンダーコントロールなど、ユーザ企業サイドとしてシステムの運用保守管理業に携わっていました。特に、既存のシステムをオンプレミスの環境から AWS へ移行するプロジェクトでは、その便利さと先進性に驚きやワクワクが喚起されたことを思い出します。
そんな折、AWS に「クラウドサポートエンジニア」というジョブロールがあることを紹介する女性向けのイベントが開催されることを知り、私は AWS への憧れを胸にこのイベントへ飛び込みました。そこでは働いている皆さんの多様な知識を伺い知ることができ、当時私が抱いていた「技術力を高めたい」という思いにもフィットする環境であることが感じられました。それまでの私は転職という選択肢を取ることをほとんど考えていなかったのですが、これをきっかけとして選考に進むことを決断し、おかげでクラウドサポートエンジニアとしての現在にいたります。
AWS 入社後は、クラウドサポートエンジニアとして日々 AWS をご利用のお客様へ技術的な支援を提供しています。お客様からのお問い合わせによっては、AWS サービス固有のご案内やトラブルシューティングを実施したり、時にはそれに限らない一般的な技術調査に範囲が及ぶことも多々あります。私は AWS の中でも「 Security 」に特化したサービス群のサポートを担当しているので、たとえば「 Amazon Inspector 」サービスで検出された脆弱性に関するお問い合わせを受けた際には、AWS 内外のリソースを精査してお客様をバックアップすることもありました。

AWS の推進する「 Inclusion, Diversity, and Equity ( ID & E ) 」が大好きです。Inclusion は、誰もが「自分がチームの一員として受容されている」と感じられる環境を目指すものであり、この考え方が組織内に浸透していることで、私はいつも安心して働くことができています。たとえば、仕事上必要なあらゆる情報がオープンに共有されていることや、国内外のエンジニアたちとコミュニケーションが取れること、社員同士でお礼を送り合えるプラットフォームの存在などが、自分の仕事の価値や同僚からの信頼を可視化してくれています。また、この「 ID & E 」という標語には興味深い由来があって、実は、Amazon ではこれに相当する標語は「 DEI 」とされているのですが、AWS ではよりインクルーシブな環境であることを重要視する、という姿勢を示すために「 ID & E 」という順番になっているそうです。多様な人々が共に働ける環境であると共に、その人たちが疎外感を感じることなく長く居続けられるよう、私自身も魅力的な組織の醸成に寄与していけたらと考えています。
また、Amazon における「 Our Leadership Principles ( OLP ) 」の考え方も重要です。私たちは仕事をする上で選択を迫られる場面に幾度も直面しますが、そんな時の行動指針として OLP に立ちかえります。私のお気に入りは「 Earn Trust 」ですが、実際のところ、OLP の中にも自分ではなかなか体現できていないな、と思う項目があったりします。ですが、そのことが却って自分の改善点としてフォーカスされ、成長を促してくれる良い指標となっているように思います。

AWS が革新的なサービスを生み出せるのは、ここで働く一人ひとりの豊かな専門知識と熱い情熱があってこそです。同僚であるサポートエンジニアの皆さんはそれぞれ異なる多様なバックグラウンドを持っていて、アプリケーション開発に深い知見を持つ方もいれば、ネットワークに造詣が深い方、データベースのパフォーマンス / SQL チューニングに強い方など、さまざまな分野のスペシャリストがたくさんいらっしゃいます。これは、ユーザ企業である前職の環境とは異なる魅力のひとつだと言えます。困った時には Slack のチャットベースで頼もしい同僚たちにいつでも相談できますし、組織内には膨大なナレッジベースが構築されていて、これが日々更新されており、学習や情報収集には事欠かない環境です。私たちはひとりひとりがお客様のお問い合わせに対応していますが、たったひとつのサポートケースの回答にも、実は大勢のエンジニアの集合知が詰まっています。
一方、前職での経験が活かされていると感じる場面ももちろんあります。 たとえば、AWS とは直接関わりのないミドルウェア等を扱った経験は、お客様特有の環境・システム構成への理解やログの分析に役立っていると感じられます。また、お客様は「 AWS をただ使いたい」のではなく、「システムの実現のために AWS を使いたい」わけですから、背景の理解や寄り添いもサポート対応では非常に肝要です。
AWS 内で得た知識で成長していくことも楽しい経験ですが、それ以前の経験が AWS での仕事にいい影響を与えているというのはとても嬉しいことです。どんなバックグラウンドで得たものも、その人だけのスペシャルな個性で強い武器になると信じています。